世界の果て

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学パロエクシリア学園祭編

ついったでフォロワーさんが素敵ネタをくださりました第2弾!




※いろいろ注意
※長くなりすぎて結局何がしたかったのか。

大丈夫です?ではどーぞ!


















朝のHR。担任教師が教卓の前に立つと、にぎやかな教室は少しずつ静まっていく。
起立、礼、おはようございまーす。
はいおはようございまァーす。だるそうな教師のあいさつに、いつも通り生徒から不満げな声が送られた。それに、なんだお前ら、と文句を返すのもいつも通り。
「えー、今年の学園祭はウチのクラスに助っ人が入ってくれることになったー」
アルヴィンは、教室の外で待っていた女生徒を呼ぶ。
「高等部3年、ミラ=マクスウェルだ。短い間だが、よろしく頼む」
自信たっぷりな笑顔に、クラスからどよめきが起こった。

とりあえずミラはジュードの横にでも座っとけ、とパイプ椅子を渡され腰掛ける。
パイプ椅子に腰かけ堂々と足を組んだ彼女にジュードはこそりと耳打ちをした。
「ちょ、どういうことなの?ミラ」
「ふむ。学園祭で行われる演劇の内容について、担任教師が独断と偏見で決めることは君も知っているな?」
「うん。だから先生によって当たり外れが大きいって」
「そうだ。この間アルヴィンが人数が一人足りないと言っていてな」
「うん」
「私が志願したのだ」
「うんそっかありがとう」
それで中等部に混ざる許可出しちゃうこの学校フリーダムすぎるでしょ。遠い目をしたジュードは心の中でそっとツッコミを入れた。
はーい注目、とアルヴィンが一枚の紙をひらひらとさせる。
「ここに人数分の線が書かれた紙がありまーす。端から順番に名前書きに来いー」
その声とほぼ同時で教室がにぎやかになる。レイアがパタパタとジュードたちの元へ駆け寄ってきた。
「まさかミラが助っ人に来るなんて、びっくりしちゃった!頑張ろうね!」
「あぁもちろんだ。君たちの為に全力を尽くすよ」
ミラの強気な微笑みに、背後がざわついた気がする。ミラって綺麗だもんねと、ジュードとレイアは顔を見合わせ苦笑した。その様子に、ミラはきょとんと首をかしげる。
「あっねぇねぇ、どんな役がやりたい?わたし王子様とかやってみたいなぁー」
「まだどんな役があるかもわかってないのに?ていうか王子様って、男役じゃない」
「そうだよね。王子様ならミラの方がかっこいいよね絶対に」
「うん。僕そんな話はしてないよね」
「私はどんな役であろうと演じきってみせるよ。ほら、私たちの番だ」
教卓にいるアルヴィンの前で名前を書く。レイアにどんな役があるのー?と聞かれてはぐらかすアルヴィンを横眼で見ながら、裏方でいいのに、とぼんやり考えた。
「ハイ全員書いたな―?」
役名が書いてある紙を張り合わせ、あみだくじのように横棒を増やす。きゅぽん、と赤いサインペンのキャップを外した。
「じゃあまずは、やっぱヒロインからだろ。いいかお前ら男がなっても恨みっこなしな!」
教室中大ブーイングの中、そんなものをものともせずに線をきゅっきゅとなぞる。やがて、アルヴィンは
「ぶふっ」
と、吹き出した。
「なになに先生、どうしたのー?」
「ぶっ、くく、ヒロインのお姫様役、」
ジュードくんだってよ。
ざわついていた室内が、水をうったように静かになった。
もとい、腹を抱えたアルヴィンの笑い声だけが響いた。

「ねぇレイア。僕と役交換しない?」
「わたし王子様がやりたかったんだもーん」
「…ミラ」
ジュードがすがるようにミラへ視線を向けると、のしりと後ろからかけられる重み。アルヴィンがのしかかってきたのは見なくてもわかった。
「往生際が悪いぞー、ジュードくん。恨みっこなしっつったろ?」
「でも僕、男だし!」
「それもこういうイベント事の醍醐味だろ?」
「他人ごとだと思って…!」
「他人ごとだからな?」
キッ、と上目づかいで睨まれる。おー怖い、とすぐに離れるとぽすぽすと軽く頭を叩いた。
「ジュード、与えられた役目は最後まで果たすべきだ」
ミラに言われてはもうどうしようもない。そういう彼女はレイアとの兄弟王子役である。
アルヴィンは腕を組み、満足そうにうなずく。
「しっかしこうも見事に配役されるとはなー。俺もいい仕事するわ」
「ア、アルヴィン、まさか不正を」
「働いてねーよ!なんで今日は疑り深いんだよ優等生!」
アルヴィンをジト目で見続けるジュード。その脇でミラとレイアはきゃっきゃとはしゃいでいた。
「レイアとの兄弟役か。楽しみだな」
「ねー!ミラの王子様、絶対にかっこいいよ!ねえ先生もう台本読んでいいんでしょ?」
「おお、いーぞ」
ぺらぺらと3人で台本をめくる。その内容は
「…ラプンツェルか?」
「ちがうよ、眠り姫だよ!」
「あれ、ロミオとジュリエットじゃない?」
そんな感じだった。



最近、ミラ達の様子がおかしい事には気づいていた。三人でこそこそと、たまにアルヴィンも混ざってきて顔を突き合わせているのだ。
どうしたのかとのぞきに行けば、エリーゼには関係ないから、とはぐらかされてしまう。友達に仲間外れにされてエリーゼは大変ご立腹だった。
「…むぅ」
「…」
「…っ」
「…?どうしたジュード」
「うん、えっと、なんだかエリーゼに申し訳なくなってきちゃって」
「最近目に見えてご機嫌ナナメだしね。でも確かにこのままは…」
「だが、エリーゼには内緒にしていようと言ったのは君たちじゃないか」
「それは、そうなんだけど…ってエリーゼ!」
こそこそとしていた三人のうち、レイアの真後ろにしかめっ面をしたエリーゼが立っていた。びくりとあとずさる。ミラは最初から気づいていたようで、冷静なまま。
「最近、みんなわたしに冷たいです」
「エリーゼ」
「わ、わたし、友達だと思ってたのに」
「エエエエリーゼ泣かないで」
「酷いです…!」
うえぇぇん、と泣き出す。ジュードは完全にうろたえてしまい、レイアはハンカチを取り出して差し出した。ミラは相変わらず見守っている。
「もうそろそろ限界だよ、ジュード」
「僕もそう思うよ、ミラ」
「君たちが好きなようにすればいい」
ジュードとレイアは頷きあうと、エリーゼと目線を合わせた。
「あのね、わたし達、仲間外れにしたかったわけじゃないの」
「…?ひっく、で、も」
「僕たち、学園祭でお芝居をやるんだ」
「おしばい、ですか?」
涙が止まり、きょとんと首をかしげる。その様子に息をつきながら、言葉をつづけた。
「それで、エリーゼに見てもらいたくって」
「びっくりさせたかったの。だから黙ってようって言ってたんだけど」
「お芝居…すてきです!」
予想以上に食いついた。機嫌が直ったようで、2人ははーっと息を吐いた。
「どんな内容なんですか?」
「それは秘密!楽しみは取っておいたほうがいいでしょー?」
「お姫様役はジュードだぞ」
「ミラ、そこは…!!」
きゃあ、というエリーゼの声が静止の声にかぶさる。嬉しそうにしている姿に、喜んでいいのかどうか、複雑な気持ちになってしまったジュードであった。



学園祭当日。
衣装に着替えたジュードが勇気を出してクラスメートの前に姿を現すと、騒がしかった教室は一気に静かになった。
その変わりように、やっぱり男がドレスなんて、と涙目になりそうになっているとミラの
「ほう、似合っているじゃないか」
という一言に騒がしさが戻っていった。
「ジュードってあんなかわいかったか!?あいつ本当に男か?」
「すごーい似合う!女装コンテストに応募したらよかったのにー!」
「あれ高等部の企画だろ?」
「じゃあ来年か…」
「ジュードきゅんハァハァハァハァ」
主にジュードの話題で。
その勢いと視線に耐えかねゆっくり後ずさり逃げようとすると、後ろからガッシリと捕まえる。そしてずるずると教室へ連れ戻された。
「いやー、想像以上に可愛くなったね青少年」
「アル、じゃなくて先生は前の試着で見たでしょ」
「あん時はサイズ合わせだろ。今日はちゃんとメイクまでしちゃってまぁ」
捕まえている手を振り切ると、真正面から睨みつける。
「それは女の子が…。まつ毛の、マスカラ?だっけ、重いんだよ!?」
「おいおい、今日は荒れてるなぁ」
「ジュード、ジュード!」
珍しくぎゃいぎゃいと食ってかかるジュードの手をミラが引く。目をキラキラさせる彼女に、嫌な汗が流れた。
「客引き、というものに行こう!まだ時間はあるのだろう、アルヴィン」
「ああぁぁぁやっぱり!」
「おー行ってこい行ってこい。レイアちゃんも一緒に行ってくれば?」
「言われなくたって行って来るよー!いっぱいお客さん集めてくるね!」
「ちょ、ちょっとまってよ男子が女装して歩き回るなんて絶対引かれるよ!お客さん減っちゃうって!」
「ないな」
「ねーな」
「自信持って、ジュード!」
「えぇぇぇ…」
がくり、とジュードは項垂れた。

水色を基調としたドレスは、男子らしい体系を隠すゆったりとしたシルエット。ロングスカートはエリーゼの私服のようにパニエでふんわりと膨らませており、歩くたびにやわらかく揺れる。レースがあしらわれた袖口は大きく広がったもの。着ている本人は黒髪のショートに大きな花と小さな花で飾られていた。
そしてそれを囲むのはそれぞれエンジ色と群青色をメインとした軍服風の二人。
学園祭で賑わう廊下を歩き、人とすれ違い話しかけられる度に約一名が居たたまれなくなっていた。
「お芝居やりまーす、見に来てねー!」
「ほ、ほらほら好奇の目にさらされてるよ僕たち…!」
「そうやって縮こまっていると更に女子らしく見えるな、ジュード」
「この場合、女の子に見えるのを喜ぶべきなんだよね…?」
女装しているように見えるくらいなら、とむりやり思考を転換させる。僕は女の子僕は女の子、と言い聞かせていると背後から自分を呼ぶ声が聞こえ、振り向いた。
「やっぱりジュードです!」
「エリーゼ!」
ぎゅう、と勢いよく抱きつかれ倒れないように踏ん張る。少しだけ高いヒールの靴は履きなれておらず、よろめいたが倒れることはなかった。ごめんなさいと謝る少女の頭を優しく撫でてやる。大丈夫だよ、という一言を加えることも忘れない。
「ジュードもミラもレイアも、みんなとても素敵です!」
「ありがとう!青色なんてあんまり着たことないから、自分じゃ似合ってるかわかんなくってさー」
「かっこいいですよ、レイア!」
手造りなんですか?家庭科部の子が頑張ってくれたんだよ!というやり取りを微笑ましく見守る。じっと見つめてくるミラの視線に、ジュードは首をかしげた。
「そうしていると、エリーゼの姉のようだな」
初等部が休校であるため、私服で来たエリーゼとジュードを見比べる。エリーゼの服装はフリルとレースがたっぷりとあしらわれたピンク色の花柄ワンピースドレスで、動くたびにスカートと腰の大きなリボンが可愛らしく揺れている。
「別に似てないよ、僕たち」
「そうだな。似ているわけではないのだが」
やりとりが姉妹のようだった。と自信あり気に言い切るミラに、苦笑するしかなかった。僕男だよー、というツッコミは、今日は置いておく。



幕が上がる。
舞台に照らされたスポットライトの下、テラスのセットに立つジュードは手を組み祈るように呟いた。
「わたしは、籠の中の鳥。どこにもいけず、自由は許されない。籠の中の鳥なの」
そして現れたのは2人の青年。
「お嬢さん。君はここの人か?」
「だ、誰…!?」
「怖がらないで。兄上、きっと彼女が」
「あぁそうだろう」
青年たちは、ミラとレイアだと名乗った。
それから幾度か、夜更けの頃に逢瀬を重ねる3人。やがてジュードはこの兄弟王子を心から信頼するようになっていた。
ある日の晩、唐突にミラは尋ねる。
「君は、ここから出たいか?」
「え?」
「君がここから出て自由になりたいと言うなら私たちが手を貸そう」
「わたし、わたし、は…」
ミラ達と一緒に行きたい。外に出たいと、はっきりと答えた。

脱出の日。ミラとレイアの迎えが遅い事にしびれを切らしたジュードは1人城を出ようと行動を起こした。しかし屋敷の主が目ざとく見つけ立ちふさがる。
「姫!なぜ逃げる!」
「わたしは、ミラやレイアと一緒に行きたいのです!」
わたしはもう、籠の中の鳥じゃない!
その声にカッとなった屋敷の主は、懐からナイフを取り出した。
「何を…!」
「逃げられる、くらいなら!」
「あぁ…っ!」
ジュードの腹に、銀色が埋まる。ざくり、という効果音と、悲鳴。ふらりと体が傾き、崩れ落ちた。
リアルな演出にエリーゼは思わず震え、涙を流した。
ジュードが、倒れた。優しいジュードが!
隣のローエンに頭を撫でられ、そっと耳打ちをされる。大丈夫ですよ、ミラさんとレイアさんが助けてくれます、と。
場内が暗転した。

「兄上!この先だよ!!」
「よし、突っ切れ!」
城の雑兵を切り崩し、ジュードが眠る場所までたどり着いた2人。話しかけ揺すっても反応を返さず眠り続ける姿にレイアが膝をついた。
「ジュード姫、なんてことだ…!」
「毒によって眠らされているようだ。起こす方法は」
王子様の、キス。
その言葉に会場が沸いた。文字通り沸いた。主に女子が沸いた。
2人がジュードの手をそれぞれ片方ずつとると、甲に口づける。
すると、そっと目を開け、体を起こした。
その後は、典型的なおとぎ話の通り。

「ジュードー!」
「ぐふっ。ど、どうしたのエリーゼ」
劇が終わり教室にはけて一息ついていたジュードの腰に、タックルをかますようにエリーゼが抱きついた。どうしたの、と頭を撫でても離す気配はなく、逆にぎゅうぎゅうと力を強めた。
「ジュードさんが刺される演出に、びっくりしてしまったんですよ」
「あ、あれね。アルヴィン、あのシーンにやたらこだわってたんだよ」
おもちゃの剣だから大丈夫だよとエリーゼの背中をさする。エリーゼは顔を上げずにこくりと頷くとゆっくりと体を離した。
「わかってるんです、けど。びっくりしちゃいました」
「驚かせてごめんね?」
「ジュードは悪くない、です。悪いのはアルヴィンです!」
「オイオイなんで俺のせいなの。なかなか良かったろ?」
「アルヴィン…!ダンザイです!」
頭を撫でようとしたアルヴィンの手を思い切りはたく。いい音が響き、いい歳した教師が涙目になった。
「ジュード、ミラ、レイア!今日は楽しかったです!」
「本当?がんばってよかったー!」
次は一緒にやりたいね!というレイアの言葉にエリーゼが大きく頷いた。







きみのためだけの、ものがたり



「じゃあ次はエリーゼがお姫様役だね」
「え?」
「え」
「えっ…え?あれ?」







エリーゼちゃんのために(女装だって)頑張ったよ!ということが言いたかったのですが が が

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